介護保険の基本をわかりやすく|親が使えるサービス一覧
介護保険制度の基本を図解でわかりやすく解説。要支援・要介護認定の申請手順、訪問介護・デイサービス・福祉用具レンタルなど利用できるサービスの種類、自己負担額の目安まで、40〜60代の子世代が知っておくべき情報を網羅的にまとめました。
介護保険制度の成り立ちと仕組み
介護保険制度は2000年4月にスタートした社会保険制度です。それまで家族が中心に担っていた高齢者の介護を、社会全体で支える仕組みとして創設されました。運営主体は市区町村で、40歳以上のすべての国民が保険料を納め、介護が必要になったときにサービスを受けられる仕組みになっています。
被保険者は年齢によって2つに分かれます。65歳以上の「第1号被保険者」は、原因を問わず介護が必要と認定されればサービスを利用できます。40歳から64歳の「第2号被保険者」は、加齢に起因する特定疾病(脳血管疾患や初老期認知症など16疾病)が原因で介護が必要になった場合に限り利用対象となります。厚生労働省の統計によると、2023年度末時点で要介護・要支援認定者数は約700万人を超えており、制度の利用は年々広がっています。
要介護認定の流れ — 申請から結果通知まで
介護保険サービスを利用するには、まず「要介護認定」を受ける必要があります。認定の流れは大きく4つのステップに分かれます。最初に、親御さんが住んでいる市区町村の介護保険窓口、または地域包括支援センターに申請書を提出します。この申請は本人だけでなく、家族やケアマネジャーが代理で行うことも可能です。
申請後、市区町村から委託を受けた認定調査員がご自宅を訪問し、心身の状態や日常生活の様子について聞き取り調査を行います。調査では、起き上がりや歩行、食事、入浴、排泄など約74項目がチェックされます。同時に、主治医に「主治医意見書」の作成が依頼されます。これらの情報をもとにコンピューターによる一次判定が行われ、その後、保健・医療・福祉の専門家で構成される「介護認定審査会」が二次判定を実施します。
申請から結果通知までの期間は原則30日以内とされています。認定結果は「非該当」「要支援1〜2」「要介護1〜5」の8段階で通知されます。認定の有効期間は新規申請の場合は原則6か月(状況に応じて3〜12か月)で、更新申請は原則12か月(最長48か月)です。期限が近づいたら更新手続きを忘れないようにしましょう。
在宅サービスの種類と特徴
介護保険で利用できるサービスは、大きく「在宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」の3つに分類されます。親御さんが自宅での生活を続ける場合に利用するのが在宅サービスです。代表的なものとして、訪問介護(ホームヘルプ)があり、ヘルパーが自宅を訪問して入浴・排泄・食事の介助や掃除・洗濯・調理などの生活援助を行います。
通所介護(デイサービス)は、日帰りで施設に通い、食事や入浴、レクリエーション、機能訓練などを受けられるサービスです。親御さんの外出機会の確保や、他の利用者との交流による孤立防止にもつながります。通所リハビリテーション(デイケア)は、理学療法士や作業療法士によるリハビリを中心とした通所サービスで、身体機能の維持・回復を目的としています。
福祉用具の貸与も在宅サービスに含まれます。車椅子、介護ベッド、歩行器、手すりなどを月額レンタル料の1〜3割負担で借りることができます。また、ポータブルトイレや入浴補助用具などは「特定福祉用具販売」として年間10万円を上限に購入費の補助を受けられます。住宅改修費の支給制度もあり、手すりの取り付けや段差の解消などに対して上限20万円まで補助されます。
施設サービスの選択肢
自宅での介護が難しくなった場合には、施設サービスの選択肢があります。特別養護老人ホーム(特養)は、原則として要介護3以上の方が対象で、長期間の入所が可能な施設です。費用が比較的低い一方で、待機者が多く入所まで時間がかかることがあります。厚生労働省の調査によると、特養の入所待機者数は2022年時点で約25万人とされています。
介護老人保健施設(老健)は、病院での治療後に自宅復帰を目指してリハビリを行う施設です。入所期間は原則3〜6か月が目安で、長期入所を前提としていない点が特養との違いです。グループホームは、認知症と診断された要支援2以上の方が少人数(5〜9人)で共同生活を送る施設です。家庭に近い環境の中で、スタッフの支援を受けながら日常生活を送ることができます。
自己負担額の目安と負担軽減制度
介護保険サービスの自己負担割合は、利用者の所得に応じて1割・2割・3割の3段階に分かれています。大多数の方は1割負担ですが、本人の合計所得金額が160万円以上の場合は2割、220万円以上の場合は3割負担となります(いずれも単身世帯の場合。世帯構成によって基準額が変わります)。
また、1か月の自己負担額が一定額を超えた場合に払い戻しを受けられる「高額介護サービス費」制度があります。所得区分に応じた上限額が設定されており、一般的な所得の方の場合は月額44,400円が上限です。さらに、介護保険と医療保険の自己負担額を合算して年間上限を超えた分が支給される「高額医療・高額介護合算療養費制度」もあります。制度が複雑に感じられるかもしれませんが、まずは市区町村の窓口やケアマネジャーに相談することで、利用できる軽減制度を教えてもらえます。
家族が押さえておきたい申請のコツ
要介護認定を申請するとき、いくつかのポイントを押さえておくとスムーズに進みます。まず、認定調査の際には普段の様子をありのまま伝えることが重要です。親御さんが「調査員の前では頑張ってしまう」というケースは珍しくありません。事前に普段の困りごとをメモにまとめておき、調査当日に調査員へ渡すと、より正確な判定につながります。家族が同席できる場合は、日常の様子を補足して伝えましょう。
主治医意見書も認定結果に大きく影響します。かかりつけ医がいる場合は、日頃から親御さんの生活上の困りごとや変化を伝えておくと、意見書の内容が充実します。認定結果に納得がいかない場合は、60日以内に都道府県の「介護保険審査会」に不服申し立てができますが、まずは区分変更申請のほうが手続きとしては早いケースが多いです。ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談しながら進めることをおすすめします。
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