高齢の親を詐欺から守るために|家族で備える防犯対策
振り込め詐欺・還付金詐欺・架空請求など、高齢者を狙う最新の詐欺手口と具体的な対策を解説。電話機の迷惑電話対策設定・合言葉の取り決め・通帳管理の工夫など、離れて暮らす家族ができる防犯の備えと、日常の会話に取り入れたい注意喚起のコツを紹介します。
深刻化する特殊詐欺被害 — 高齢者が狙われる現実
警察庁の発表によると、2023年の特殊詐欺の認知件数は19,033件、被害総額は約441億円にのぼりました。前年比で件数は約8.3%増加しており、被害は拡大傾向にあります。特に深刻なのが高齢者の被害割合です。特殊詐欺被害者のうち65歳以上の高齢者が占める割合は約7割に達しており、年齢が上がるほど被害に遭いやすい現実があります。
被害に遭った高齢者の多くが「まさか自分が騙されるとは思わなかった」と口にします。詐欺の手口は年々巧妙化しており、「自分は大丈夫」という思い込みこそが最大のリスク要因です。離れて暮らす家族として、親御さんの身を守るために知っておくべき手口と具体的な予防策を整理してみましょう。
主な詐欺の手口 — オレオレ詐欺・還付金詐欺・架空請求
特殊詐欺にはいくつかの代表的な手口があります。最もよく知られているのが「オレオレ詐欺(預貯金詐欺を含む)」です。息子や孫を名乗り、「会社のお金を使い込んだ」「交通事故を起こして示談金が必要」などと焦らせて現金やキャッシュカードを騙し取ります。警察庁の統計では、2023年のオレオレ詐欺の被害件数は4,249件、被害額は約127億円でした。
「還付金詐欺」は、市区町村の職員や年金事務所を装い、「医療費の還付金がある」「保険料の過払いを返金する」と電話をかけてATMに誘導する手口です。ATMの操作を指示してお金を振り込ませるもので、被害者はお金を受け取るつもりで操作しているため、送金したことに気づかないケースも少なくありません。2023年の認知件数は4,534件と、オレオレ詐欺を上回っています。
「架空料金請求詐欺」は、実在する大手企業やサービスの名前を使い、「未払い料金がある」「法的措置に移行する」とメールやハガキで脅して金銭を要求する手口です。近年はスマートフォンのSMSを使った手口も増えており、URLをクリックさせて個人情報を盗み取るフィッシング詐欺との複合型も確認されています。
今日からできる具体的な予防策
詐欺被害を防ぐために、すぐに実践できる対策があります。最も効果的とされるのが「常時留守番電話設定」です。警察庁によると、特殊詐欺の約8割が固定電話への着信から始まります。電話に直接出ない環境をつくるだけで、犯人と接触する機会を大幅に減らせます。親御さんには「知らない番号には出なくていいよ」と伝えましょう。
家族間の「合言葉」を決めておくのも有効な方法です。本人確認のための質問(ペットの名前、よく行くスーパーの名前など)を事前に共有しておけば、なりすましの電話を見破りやすくなります。合言葉は定期的に更新し、電話帳や手帳に書き留めないよう注意してください。
通帳やキャッシュカードの管理にも気を配りましょう。ATMでの1日の引き出し限度額を低めに設定しておく、使っていない口座は解約する、といった対策が被害を最小限に抑えます。また、自治体や警察が提供している自動通話録音装置を設置すると、着信時に「この電話は録音されています」と自動アナウンスが流れるため、犯人が電話を切る確率が高まります。多くの自治体で無料貸与が行われているので、問い合わせてみることをお勧めします。
日常の会話が最大の防犯になる
見落とされがちですが、家族との日常的な会話こそが詐欺予防の最も強力な手段です。普段から頻繁に連絡を取り合っている家庭では、詐欺犯が親御さんに電話をかけても「さっき息子と話したばかりだけど…」と不審に思う可能性が高まります。逆に、家族との連絡が途絶えがちな高齢者ほど、犯人の言葉を信じてしまいやすい傾向があります。
また、日常会話の中で「最近変な電話はなかった?」「知らない番号からかかってきたら出なくていいからね」と自然に伝えることで、防犯意識を高めることができます。ニュースで詐欺事件が報道されたときに「こういう手口もあるんだって」と話題にするのも効果的です。一方的に注意するのではなく、会話の中に織り交ぜることで、親御さんのプライドを傷つけずに情報を共有できます。
内閣府の「令和5年版高齢社会白書」では、社会的なつながりが少ない高齢者ほど犯罪被害に遭いやすいとの指摘があります。日々の「元気?」「今日は何してた?」という何気ないやりとりが、結果として親御さんの安全を守る盾になるのです。
被害に遭ってしまったときの対応
万が一、詐欺被害に遭ってしまった場合は、速やかに警察(110番)と金融機関に連絡しましょう。振込後でも、「振り込め詐欺救済法」により犯人の口座を凍結して被害金の返還を受けられる可能性があります。早ければ早いほど回収の見込みが高くなるため、気づいた時点ですぐに行動することが大切です。
被害に遭った親御さんは、恥ずかしさや自責の念から家族に打ち明けられないケースが多いことも知っておいてください。「騙されたお前が悪い」ではなく「巧妙な手口だから誰でも引っかかる」「話してくれてありがとう」という姿勢で受け止めることが、二次的な精神的被害を防ぐうえで非常に重要です。消費者ホットライン(188番)や警察相談ダイヤル(#9110)でも相談を受け付けています。
よくある質問
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